テーマ:お寺の風景

新到さん、いらっしゃ~い!/その3・挨拶を覚える

僧となる不思議な月日朧にも 玉宗  明日がない筈の旦過寮での生活も何日か続き、それにも慣れてきた頃、突然、古参和尚から次のような事を告げられる。 「明日、入堂するぞ」 「入堂」とは坐禅堂に入ることである。暫到の間は「外単」と呼ばれる堂の外側で坐禅をしていたのだが、入堂すると自分の坐る場所が畳一枚…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

新到さん、いらっしゃ~い!/その2・じっと我慢の子であるべし

少しづつ頭よくなる木の芽どき 玉宗  立ちッぱなしの苦行から開放されて「旦過寮」に通される「新到」さん。思わず心の中で「やれやれ」と安堵する。 然し、まだ正式に安居を許された訳ではないので、「暫到・ざんとう」さんとも呼ばれる立場であることを忘れてはいけない。お客さんでもなく、身うちでもない、変な感じ。「おい、…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

「新到さん、いらっしゃ~い!/その1・大きな声で存在を知らしめる」

新到の荷を枕辺に朧月 玉宗 宗門には本山のほかに日本国内や海外にもいくつかを合わせて三十ほどの修行道場がある。僧堂とも叢林とも呼ばれる。叢林とは樹木が叢がっている林という意味だが、修行僧が和合して一つの所に住んで、樹木のように静寂にまっすぐ修行に励んでいる場所を意味している。禅林とも栴檀林などとも称される。 …
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

足の裏で考える

犬ふぐり徒食の影がたもとほる 玉宗 前大本山總持寺貫首・板橋興宗禅師が金沢大乗寺住職であった頃、本堂の露柱に「足の裏で考える」という貼り紙があった。マッサージ業界のコピーではない。仏道が命の実感・身心学道に参究することに尽きるという禅師様ならではの修行者への指南であると受け止めたい。   われわれは「あたま」が…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

涅槃会のこころ

涅槃図の月が最後に巻かれけり 玉宗 釈尊涅槃の日を慕ってお寺では涅槃会法要が営まれます。 僧堂では涅槃会接心を行っているところもあり、坐禅を以って報恩の誠を尽くします。一般のお寺では涅槃会法要を催し、涅槃団子を撒いたりして、お釈迦様の遺徳に思いを馳せ、お粗末な自己の生き方を新たにする機縁ともなりましょう。 仏教…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

コロナ後の社会?!

春立つやふらりと風の吹く方へ 玉宗  コロナ発生直後からコロナ禍での社会の変化、価値観の変質が指摘されている。命あっての物種を実感せざるを得ない状況に遭遇して、人はだれでも最低限必要なものを選択し、生きるのに無駄なものを省こうと本能的に身構える。それは一見至極当然な振る舞いに思えるが、生きるのに最低限必要なもの或いは無…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

仏道という生き方

魚は氷に仏弟子山に上りけり 玉宗 市内にある福祉施設から職員を対象にした法話の依頼があった。世に福祉産業といった名称があるのかどうか存知しないが、時代の要請のしからしむるところといった観が否めない。常識化していると云ってもよい。人間社会には様々な生き方があるのが現実である。その道に入ったならばその道の作法、宗旨、規…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

愚のごとく生きる

仏弟子はほとんどをのこ茎立菜 玉宗 禅宗のよく読誦する「宝鏡三昧」というお経の一節に次のようなものがある。 潜行密用 如愚如魯 只能相続 名主中主 「潜行密用は愚のごとく魯のごとし。ただよく相続するを主中の主と名なづく」 愚かさとは何か。それは自己を知らないことに尽きる。そして仏道に於ける「愚」とは何か。…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

優柔不断ってどうよ?!

忠言も讒訴もならず着膨れぬ 玉宗  民放テレビで日本の首相の優柔不断ぶりを検証するが如き番組があった。出席したパレラー?コメンテーター?の全員が現今の首相を優柔不断とは認めてはいなかったようだが、テーマを主導したメインの心理学者が如何にもステレオタイプなものの捉え方であるのが少し気になった。心理学だけではないと思うが、凡そ「学…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

人間らしさを越えて

  早く寝ろ風邪を引くなと喧しき 玉宗 人のこころには人様に言えない闇もあり、光りもあり、善もあれば悪もあり、清もあれば濁もあります。 仏道は人間らしさを否定はしませんが、人間らしさの向こう側とでもいうべき、人間らしさを越えたところを向いて生きようとしているものと思っています。現実を尊重しつつ現実に執着せずかろやかに生…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

托鉢の風景

托鉢の笠に窺ふ寒怒濤 玉宗  今日は輪島市の海岸沿いの光り浦地区を歩いた。 これが能登の冬の海の正体。こんな日に托鉢もどうかとおもうのだが、しやうがない。ふと、こんな風景の中で道元さんも瑩山さんも托鉢したことはないだろうなあといった感慨が湧いた。一方で、衣を汚したり濡らしたりするような場所や日に托鉢するものでない…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

鰯の頭?!

寒き世に一人鈴振るばかりなり 玉宗 寒行托鉢もあと十日ばかりとなった。先日は門前から總持寺祖院僧堂の大衆一行が輪島市内の托鉢に来た。今年はコロナ感染拡大防止ということで輪島以外への遠鉢は中止となっている。例年点心供養をさせて貰っているのだが、世の会食自粛に倣って施主家での点心も中止だという。寒行で冷え切った体に施主家での点…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

一歩一歩の人生

水っ洟ここにも一人ほとけの子 玉宗 寒行托鉢も中日となり折り返し。 今年は例年になく厳寒の寒中となって頗るやりがいがあるとも言えます。今のところ還暦を疾うに過ぎても歩けていられることに感謝ですな。お命様に合掌。負け惜しみではありません。雪の中、吹雪の中を一歩一歩を踏みしめていく托鉢。それがそのままわが人生であることを…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

初心よければ

  蝋梅のひらかむとしてにほひたち 玉宗 諺に、「終わりよければすべてよし」とあります。 本来は、ものごとは最後の締めくくりが大切であるということのようですが世間では些か趣を異にして結果がすべて、取り繕ってまでしても結果の見栄えの良さを問題にしているかのようでもあります。 しかしそもそもが、何を以…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

仏の日

墓石の雪をのけてや仏の日 玉宗    大本山總持寺祖院管理の亀山墓地には、二祖峨山禅師並びに五院輪住大和尚、そして明治期以後の独住禅師卵塔が建ち並んでいる。 先日、興禅寺の朝の雪掻きを済ませてから、供花を買って亀山墓地に新基建立された本山独住二十三世板橋興宗禅師の卵塔をお参りした。墓地正面の山門を入って左側。禅師の…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

祈りの力

雪掻いて無駄骨らしきもの残る 玉宗 寒行托鉢も七日を過ぎた。 礼年にない大雪で雪掻きもなんだが、托鉢して歩くにも難儀する。昨今は雪を解かすのに道路に融水装置が付けられるようになった。車には雪が解けて結構なことだが、歩道を歩く托鉢僧にはシャーベット状に融けた雪水は思いの外に冷たく、まだ裸足に草鞋で雪の上を歩いている方が…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

雪掻き作務

    雪を掻く朝飯前の顏をして 玉宗   昨夜からの吹雪で境内はアッという間に銀世界。本格的な雪作務の季節となった。昨夜、寝る前に二回雪を掻いて、朝の勤行を済ませての雪作務。思えばお寺の雪掻きは半端ない。小さいお寺ではあるが、参道、駐車場、階段、犬走り玄関先と、一般家庭よりは広い方だろう。そんなお寺を二つ管理しなければなら…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

初心に生きる

子を呼んで初めての雪仰がしむ 玉宗  永平道元禅師御撰述『学道用心集』の中に「有所得の心を用つて佛法を修すべからざる事」という項がある。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  右、仏法修行は、必ず先達の真訣を稟て、私の用心を用いざるか。況や仏法は、有心を以つて得可からず。無心を以て得べ…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

「行」に生きる

鉄鉢の向かうに続く雪の山 玉宗 今年の寒の入りは五日。昭和六十二年に永福寺に入って以来続けている一人での寒行托鉢。先代住職は還暦を過ぎて辞めたということだが、私は還暦を五年過ぎても辞める気配がない。夫人には年金を貰うようになったら辞めようかなと言っていたのだが、貧しいお寺のお陰で托鉢も生涯現役でやり続けることになりそうだ。…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

露堂々のいのち

水仙の捻くれながら真っすぐな 玉宗    「露堂々」という禅のことばがあります。 「露」は隠しどころがないということです。裏も表もなく、過去現在未来を通じて変わらない実相世界の様子です。生老病死。すべて堂々たるわがいのちの様子であり、仏道とはそれを自己に引き寄せ学ぶ道程そのものです。 人を変えることはできない…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

 正月寺報

       新年あけましておめでとうございます。 一寸先は闇と言われます。諸行無常なる人生の歩みは、まさに闇を手探りして歩むようなもの。「闇」とは何か?わが思いを越えて展開する生死去来、時節因縁、諸法実相。それをしも人には「闇」と映るのではないでしょうか。  仏道は、そのような危うい人生の闇を歩む、一つ…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

いのちその日暮らし 

良寛を想うて眠る蒲団かな 玉宗   良寛さまの周りにはいつも子供たちがいました。 子供達が朝も夕方も懐くようにやってきます。それを一つも煩わしいと考えずに子供たちと一緒になって遊んでいました。また、村人が畑仕事を手伝ってくれと言えば、畑の中に入りました。時には草引きもし、家の手伝いもしたことでしょう。月夜の晩の…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

今日の法話・禅的信のありどころ

  明日も又生きるつもりの火を埋づむ 玉宗 「仏法の大海は信を以て能入と為す」という言葉があります。 「信」は私が世界を受け入れる為の最初の関門のように考えられています。つまり、私の側の都合やチャンネル操作、自律が問われているものの如くです。 しかし本物の「信」とは、「法」という「向う側の都合」を全て…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

大本山總持寺祖院復興事業完了

  能登半島地震から十四年。 今日の地元新聞に「大本山總持寺祖院復興完了」なる記事が載っていた。総工費約四十数億円を掛けての世紀の大事業であった。予期せぬ困難もあったようだが茲に復興を成し遂げられたことを同じく能登半島地震に被災し小規模ながらも再建することができた末寺住職として素直に喜びたい。總持寺だけではなく宗派と全国…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

お経って何?!

笹子来て習はぬ経を唱へけり 玉宗  先日何気にNHKの「チコちゃんに叱られる!」っていう番組を見ていたら、「お経って何?」という問い掛けにほかのタレントが答えに窮していた中で、一人駒澤大学で学んだというお笑い芸人が正解を言い当てていた。街頭でのリサーチ映像では一般人の中でも未だにお経の何たるかを弁えていないことに少なか…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

身辺ニ題

總持寺祖院亀山墓地にある二大尊並びに歴代独住禅師の墓地に板橋興宗禅師の分骨が埋骨されるということで、お声がけをして頂き、祖院監院老師はじめ山内役寮大衆と共に参拝致しました。 雪しぐれの空模様の中、読経の間はそれも止んでいましたが、終るや否や雷鳴が轟き渡りました。禅師様の獅子吼一声とも受け取らせて頂き帰山致しました。合掌。 …
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

今日の以心伝心・方便現涅槃

狐火の携へてゆく風土記かな 玉宗  先日、板橋禅師の分骨が總持寺祖院に納められた。御誕生寺の新住職がわざわざ興禅寺に立ち寄って下さり、禅師の骨箱を床の間に置かせて頂き、献茶させてもらうことができた。鶴見の荼毘式には弟子の孝宗和尚が出席してくれた。遺骨に間向かうのは初めてである。私も夫人も感謝の念を新たにしたことである。…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

吾輩は猫であるのこころ

ボーナスと縁なき暮らし着膨れぬ 玉宗 吾輩は猫である。 お世話になっているお寺の住職が地元の新聞を見ていて、公務員にボーナスが出たという記事を読んだらしく、妙に落ち込んでいた。賞与っていうんですか、いつごろからの人間様の習慣なんだろうね。よくわからんが、もしかしてお盆やお正月を気前よく、気持ちよく、ひもじくない様にという…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

季節のアルバム・結婚記念日

畳替へ終へたる妻が少し老い 玉宗  12月12日はわが夫婦の結婚記念日。 今から三十五年前、金沢大乗寺で板橋禅師式師のもと仏前結婚式を挙げた。これを機に禅師様には「あんたはいい奥さんを貰ったね」と生涯羨ましがられることになる。式が終って外へ出ると一転俄かに掻き曇り北陸名物「雪起し」が轟いたのを夫婦揃って今も忘れない。…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

寺報12月号

『寺報12月号』 法輪山興禅寺・鳳来山永福寺       令和二年も師走となりました。コロナ禍の中、檀信徒の皆様にはご清寧のことと存じます。今年も様々な出会い別れ、ご縁がありました。    七月には私の受業師(得度の本師)である總持寺独住二十三世御誕生寺中興二世雲海興宗大和尚が御遷化されました。コロナ感染拡大防止…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more