再生への旅

アクセスカウンタ

zoom RSS 平凡とは何か?

<<   作成日時 : 2011/01/06 04:57   >>

トラックバック 0 / コメント 4

画像


蜜柑剥くにも拘りのあるらしき 玉宗

駒澤大学教授・永井政之氏が「平凡」という題目で、顧問になっている「四天王寺薬師如来奉賛会会報」に、次のような文を載せられていた。

<新年を迎えた。いい年にしたいが、政治経済社会、いずれも混迷から脱出するには時間がかかりそうだ。「それにしても」と思う。昨年六月二十八日の『日本経済新聞』は日本青少年研究所の千石保理事長の寄稿文を載せる。
 そのすべてを紹介できないが、同研究所が、日、米、韓の高校生の意識調査をしたところ、日本人の若者の特色として「偉くなりたくない」「リーダーになりたくない」「何の責任もなく楽しくやれれば一番良い」という部分が際立っていることが判明したという。
様々な面において、必死に努力し、充足感を伴ったそれなりの結果を得るという、誰もが共通して持っていたであろう人生観、あるいは努力観が機能しなくなったのである。衣食が足った現代では「のんびり生きること」「平凡に生きること」が重要になったという。

 「二番目ではダメなのか」などと迷言を吐く議員も居る位なのだから、それはそれで幸せなことと言えるのかもしれない。「だが待てよ」と誰もが考えるであろう。
 千石氏も「平凡がいい社会となったと自覚すべき」という一方、「なんとなく目標や目的のない社会になった」「今のような豊かな消費社会がいつまで続くかわからない」と指摘警告する。

 先人の残した遺産でゆっくりしているのは若者だけではないから、したり顔で云うことでもないが、「何もしないでただ平凡がいい」などとのたまわっているのは、見方によれば「なまけもの」の理論とも言え、「名聞利養にかかわらぬこと」とは似非非なる世界、自然外道の世界だと言うべきであろう。
 
 国民の一人一人の借金が一千万円に近づこうとする現代。かつて仄聞した某氏の言葉、「今までは<こんな素晴らしい世の中は御先祖様のお陰。御供養しようね>が説得力を持ったが、これからは<こんな世の中にしたのは先祖。だれが供養なぞするものか>となるかもしれない」という危惧の言葉が現実味を帯びる。>
  ≪以上『如愚如魯』薬師如来奉賛会会報bV7・平成23年1月より≫

画像


衣食足りて礼節を知ると云われる所以は、衣食足りて志を忘れるという人間の愚かさを啓蒙しての言葉なのかもしれない。熱湯に飛び込んだ蛙は慌てて飛び出すが、ぬるま湯に浸かった蛙は間違いなく茹で蛙となってしまうと云われる。
一方には確かに生きてゆくことの難儀さ、大変さ、困難さがある。生存競争はどのように小奇麗な文明社会となっても生存の根底に横たわりほくそ笑んでいる悪魔の奈落にも見える。人間は存在の危うさを本能的に知っていると思いたい。安楽な生活に浸り切り、志や礼節を忘れてしまう愚かさも、神様が弱い人間に与えた麻薬のようにも見えてくる。
窮すれば通ず、と言われるが、物事が通じないのは何故か?どんなに声高に物の豊かさに溺れる愚かさを指摘しても、ぬるま湯から出ようとしない人間。人類が本当に窮するときがいつか来るだろうと識者は警告する。そのような警告が通じたときの世界とはどうなっているのかと想わないでもない。

平凡がいいという。その平凡が平凡であり続ける保証はどこにもなく、また現代の日本人の平凡な生活は、自然界からの搾取と社会間の不平等や格差など、危ういバランスの上に成り立っている。その現実を見て見ぬふりをしているお目出度さ。因果応報は仏教のイロハであろう。善悪の業に対しては恩恵もあれば、罰も当ることに疑いはない。
 仏教はとうの昔に欲望の織りなす現実の危うさに見切りを着けている。窮せざれば通ぜずでは遅すぎる。窮しない、行き詰まらない生き方を示されたのがお釈迦さまであり、歴代の祖師菩薩である。哲学は問い掛けがその本質であるという。宗教は答えに生きることがその本質であろう。

本来「良い平凡、悪い平凡」などというものはないだろう。生存への思慮があるかないか、現実を見据えて生きる姿勢が問われているだけではなかろうか。「宗教を持たない現代人」とは「ぬるま湯に浸かっている蛙」と揶揄されているに等しいということだ。




よい記事と思われましたらポチっとお願い致します。合掌
にほんブログ村 哲学・思想ブログ 禅・坐禅へ

にほんブログ村 ポエムブログ 俳句へ

にほんブログ村 哲学・思想ブログ 人間・いのちへ



テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
どもならん泣きべそである初鏡   よし
yoshiyoshi
2011/01/06 07:41
おはようございます。
妄想句会をしてみました。
雪は思ったほど降らなくて
寒いだけのお正月です・・・・・


いらくさ
2011/01/06 12:10
人日のはやため息の多かりき 湘次

国民のため息が聞こえてきます。

湘次
2011/01/06 22:42
 yoshiyoshiさま。
一句ありがとうございます。
「初鏡こんあ私にだれがした 玉宗」

 いらくささま。
妄想と創造力、紙一重です。
頑張って下さい。合掌

 湘次さま。
一句ありがとうございます。
風刺のきいた一句ですね。流石です。合掌
市堀
2011/01/07 20:04

コメントする help

ニックネーム
本 文
平凡とは何か? 再生への旅/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる