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zoom RSS 「傾聴」についての一考察

<<   作成日時 : 2012/11/12 04:57   >>

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冬めくと耳おとなしくしてゐたり 玉宗


<「傾聴」とは、カウンセリングやコーチングにおけるコミュニケーションスキルの一つです。人の話をただ聞くのではなく、注意を払って、より深く、丁寧に耳を傾けること。自分の訊きたいことを訊くのではなく、相手が話したいこと、伝えたいことを、受容的・共感的な態度で真摯に“聴く”行為や技法を指します。それによって相手への理解を深めると同時に、相手も自分自身に対する理解を深め、納得のいく判断や結論に到達できるようサポートするのが傾聴のねらいです。人事労務用語辞典の解説>

以下は断るまでもなくわが事としての言及である。

東日本大震災からの復興の中で宗教界もまた「傾聴」というテーマで被災者にアプローチ、寄り添おうとしている。震災以来の宗教的救済活動の試行錯誤の中で明確になってきた自らの立ち位置である。上から目線ではなく、どこまでも諸行無常の人生を共生きする同胞としての姿勢といってよかろう。傾聴ボランテイアとして既に確立されたノウハウ、スキルを有している。

「傾聴」それを否定はしないし、無駄だとも云うつもりは毛頭ない。然し、被災者とそうでない者という構図はどこまでもついて回ることを忘れてはならないし、仏教独自のコアな部分を持ち得るのだろうかと疑問がないわけでもない。
確かに被災者とは話を聞いて貰えるだけで心癒され再生への展望やヒントを得ることもあろう。私自身の被災体験からもの言うのであるが、他者に話している本人が自分の存在の問題点を否が上にも認識させられる。ひとときではあるがそのような「他者へ話すことによる癒し」は再生への梃子になることは見過ごせない。「忘れられていない」という思いは被災者の孤独感を解消させる動機としては悪くはない、が全能ではない。

それにしても、話しに耳を傾けるだけでことが済むのであったら仏道もいらない。被災者の苦悩全てを受け入れ、引受けるといった自惚れはないだろうが、宗教的救済が一見さん、冷やかしの類で引き上げるボランテイア活動でいい筈がなかろう。平たく言えば、「傾聴」した、それで済ませていいのかという自問自答である。

思えば「傾聴」とは随分と耳触りのよい言葉ではある。良すぎる。宗教界はもっと泥臭く、身を汚し、身を削り、汗を掻き、馬鹿になり、無用の極みを尽くすべきではなかろうか。そのためにも私的には「傾聴」はいただけない。言葉一つでも斯界の性根が知れると云うものだ。その感性がすでに「上から目線」ではなかろうかと私などは違和感を隠せない。

百歩譲って、ボランテイアに徹するのであったならば「宗派」の看板を下ろせばいいのである。そんなものに拘っているからにっちもさっちもいかなくなるのだ。それはまるで血の通わない行政機構と大差のない構図ではないか。自己満足ではなく、本当に被災者に寄り添いたいのであれば、自らが泥を被るといった覚悟がなければ仏弟子とは言えなかろう。どこまで身を捨て心を捨てる事が出来るかが試されているのだろうし、その真偽が注目されているのに違いないからだ。爾後のケアは傾聴した私自身もまた免れないことを心するべきではなかろうか。聞きっぱなしでよい訳がない。





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コメント(3件)

内 容 ニックネーム/日時
虫日記R6は消されたようです。
そこから行けた虫さんの新しいブログは、消されてはいませんが、とりあえずさよならまたねと言うコメントだけになりました。
こっこ
2012/11/12 05:03
5年間主任教育相談員をさせていただきました。10名ほど資格を持った相談員がおりました。私の仕事の一つは、求めに応じ彼女たち(多くが女性でした)の話を聴くことでした。多分彼女たちはロジャースの理論に従い、來談者と同じ目線で話を聴き続けたのだと思います。その結果として彼女たちの内部に処理しきれない思いがたまるのだと思います。それを聴く人間が必要だったのでしょう。私が適任だったかどうかは今でも分かりませんが、私もまた「傾聴」を心がけた一人です

2012/11/12 19:18
こんばんは
 ご無沙汰しています。
 傾聴とそれに対するフィードバックを積み重ね最終的には何か良い結果が得られればいいのですが。
 コミュニケーションは難しいですね。
湘次
2012/11/12 20:14

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