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zoom RSS ある史跡・曹洞禅の源流

<<   作成日時 : 2013/07/16 04:49   >>

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史跡へと二番蕨を摘みながら 玉宗

曹洞宗大本山總持寺開創に関わる史跡が門前町には数多くあるが、今回はその内の二つを紹介しよう。
どちらも御開山瑩山紹瑾禅師と二祖峨山韶碩禅師の足跡でもある。「坐禅石」と「羯鼓林」である。梅雨の晴れ間を窺がい久しぶりに歩いて行ってみた。

先ずは「坐禅石」。

大本山總持寺祖院正面の三松関前に「大本山里程標」の道標が立っている。その横には「従是禅定石五丁」と記されある。祖院の北方にある和田山の山頂までの距離である。

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町内を分断して流れる八ケ川を挟んで祖院と反対側の和田という地区の里に「坐禅石」への案内標が立っている。そこを登って行く訳であるが、けもの道と言ってよいその山道を四十分ほど歩くと山頂付近に出る。

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尾根を百メートルほど行くと「両尊坐禅石」と刻まれた石柱が立っている。そのすぐ横に御開山瑩山紹瑾禅師と二祖峨山韶碩禅師が坐禅をしたと伝えられている坐禅石が二つ並んでいる。今でこそ、四方が植林された杉やあすなろの林に囲まれ眺望は利かないが、往時は總持寺祖院や門前の町並、八ケ川流域の平野、西方には日本海もよく見えた絶景の場所であったとされている。

師弟関係でもある両禅師はこの坐禅石に坐られて能登の里山や日本海を眺められたに違いない。道元禅師から伝わる曹洞禅を継いでいるという矜持と教線を広げていこうという夢に胸が膨らんでおられただろう。昔も今も海には確かに沖という未来の可能性へ夢を馳せるものがある。その解放感。總持寺の禅風の原型がここにあったのだと言いたい。

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坐禅石の周りには鹿子百合が群生しており、数は少ないが笹百合もあった。以前から町内のある篤信家が、奥さんを亡くされた後、この史跡の一体の管理を受け合って、桜の木を植えたり、草刈りをして守っているという話は聞いていた。私が出仕していた折、何度か祖院の法助を得て草刈りなどをしたこともあったが、現在はどうなっているのか存知しない。今回久しぶりに登ってみたが、年に一度くらいは草刈をしている形跡はあった。

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もうひとつは「羯鼓林」。

瑩山禅師が能登の鳳至郡櫛比荘(現在の門前町)にあった「諸丘寺」という行基が開いたと伝える真言宗の寺院を譲り受けたという史実は、宗門人で知らない人はなかろうと思う。瑩山禅師と当時の諸丘寺住職定賢律師がお互いの夢のお告げに随って出遭ったとされる史跡が今も門前町に遺っている。

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總持寺祖院から西方1・5キロほどの小高い丘があり、その林は「羯鼓林・かっこばやし」と呼ばれている。今では祠があるだけではあるが、往時海路を船でやって来たであろう禅師が定賢律師の出迎えを受けたであろう地点が、港と總持寺の中間地点ほどにある「羯鼓林」であることに現実味がある。

因みに、總持寺の開創に関する霊夢などが記されている「總持寺中興縁起」は国の重要文化財に指定されている。門前町民で知らない人はいないと思うが、輪島市全域では「坐禅石」も「羯鼓林」も知る人ぞ知る史跡になりつつある。観光のルートにも合致しないためか市の観光誘致のパンフレットにも載っているのを見たことがない。
自治体にとっては宝と指定することに憚れるものがあるのだろうが、宗門にとっては決して疎かならない史跡である筈である。移転百周年記念事業の一環として整備して頂けないものかと末寺の和尚は叶わぬ夢を抱いたりしたこともあったが、時代の流れに埋もれてしまう無念さに胸を締め付けられる思いがする。

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曹洞宗大本山總持寺が時代の要請の中で、日本海側から太平洋へと移転して昨年で百年を越えた。

嘗て永平寺を山の禅、總持寺を海の禅と提言されたのは国際日本文化研究センター教授でもあった山折哲雄氏であるが、そういう視点がらみれば「衆生と共にある開かれた禅」といった精神は確かに能登の原点にあったのだと強く実感する。土着に教線を拡大して行った曹洞禅の一つの源流といって憚らない所以である。本山機能が横浜の地に移った今もその根本精神は引き継がれていると思いたい。

 <以前UPした記事を訂正補筆したものです。市堀>



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「海の日」

家にゐてさみしき海の日なりけり

海亀を送り出したる夜の月

裏返る海月の無聊思ふなり

笹百合のこゑも幽かや石仏

生き死にの覚束なさや雲の峰

貧しくとも母は太陽ダリア咲く

老いてなほ人の訪なふ夏座敷

宵越しの花のあかるさ花魁草

嫁がざる姉のやうなる水中花

おらが富士青田穂波の沖遠く

うたた寝の足裏の汚れ夏安居







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