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zoom RSS 東日本大震災句集『わたしの一句』

<<   作成日時 : 2013/11/09 05:02   >>

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さざんかの花の月日に翳りあり 玉宗


俳誌「小熊座」主宰の高野ムツオ氏から東日本大震災句集『わたしの一句』宮城県俳句協会編を寄贈して頂いた。被災地のみならず全国各地から寄せられた俳句1,261句(ひとり一句)が載せられている。協会を越えているのは勿論、見たところ一般俳人愛好者に列して金子兜太、宇多喜代子ら著名俳人も名を連ねている。被災地へ寄り添う著名俳人の真心に接した思いである。

1261名が一句を献じた訳であるが、その中の約半数が岩手、宮城、福島の東北三県の被災地の方々である。
震災句は被災者だけが読むべきものであるなどと考えてはいない。被災者と言えば、人は誰しもなにがしかの被災者である。人災、天災を問わず大なり小なり、一度も災禍に巡り合わないで人生を過ごしている方が稀でありう。

震災句とは何か?

それは畢竟、俳句を嗜み、理解できる者たちの中で交される「よしなしごと」に過ぎない。そしてそれでいいのであろう。文藝と云う「よしなしごと」が儚い人生を慰め、励ますことも紛れもない事実である。俳句作品と云う感性の所産もまた入るべき器へと流れていくであろう。個人から個人へ。感性から感性へ。それこそが文藝の奇蹟であり、社会性といったものであろう。それは奪い合いや駆け引きといった領域の話しではない。感性の響き合いの世界である。

震災句もまたひとつの「挨拶句」であろう。作者の存問の深さ、真偽が如実に表現されているに違いない。一句でもよい、真に自己に寄り添い、被災者、被災地へ心寄り添っている句に巡り合いたいと思っている。


生き抜いてくだされ風邪ばひかねよに 青森  佐々木とみ子
あの人もこの人もいた花むしろ     仙台  西條美恵子
ことば虚しくてつくしんぼへ屈む     福島  佐藤弘子
津波のあとに老女生きてあり死なぬ  埼玉  金子兜太
短夜の赤子よもつともつと泣け     大阪  宇多喜代子


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市堀玉宗震災句



 生きてゆく涙鹹きも花のころ

 つばくろの空また仰ぐ生きむため

 死者生者朧の夜を同じうす




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「初しぐれ」

洛中を望む濡縁初しぐれ

くづほれて膝抱く冬の影法師

北風の吹きこぼしたるおつゆかな

花束のごとく白鳥来たりけり

まだ冬になりきらぬてふ間の悪さ

お汁粉の団子が足りぬ寒さかな

仏弟子の髭ほのぼのと冬めきぬ

胸に残る焚火の匂ひ死にたくなる

山茶花の散るにまかせて閑たりし

日向ぼこ子の名忘れし母となり

噛むほどに悔いあるうるめ鰯かな





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