再生への旅

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zoom RSS 磯の思い出

<<   作成日時 : 2014/03/03 10:25   >>

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海女老いて搗布ひろふと答へけり 玉宗

先日、法事の布施に地元の岩海苔を添えて頂いた。
輪島の岩海苔は冬の日本海の荒波に揉まれている。磯と島で採れるものは大きさも質も違うようである。私がいただいたのは輪島沖にある「七つ島」で採れたものだった。お寺に戻りさっそく炙って醤油をつけて頂き舌鼓を打ったことである。

「磯遊び」という季語があるが、漁師町で育った思い出は波の音と磯の香りとともにあるといってもい。そして思い出す磯の風景には必ず漁師の妻であった母の姿が出てくる。

半農半漁の生活であるから、春先は畑を耕す作業もあったであろうが、日和をみては浜に出て岩海苔を掻いていた。輪島の海苔と比べて小ぶりのような気がする。指で掻き毟ったり、海苔を掻く専用の道具でガリガリと掻いていた。掻いてきた海苔を水で溶いて簾にのせ、乾燥させるのである。今も生乾きの海苔の香りを覚えている。

母は海苔のほかにも「ふのり」「あおさ」「みみ」、「つぶ貝」「烏貝」を採って来ては食材の足しにしていた。荒れた浜辺に出ては「ちぎれ昆布」や「若布」を打ち寄せる波間に入り込んで拾っていた。「昆布・若布」は乾燥させて漁協で買い取って貰うのである。まさに生活が掛かった「磯遊び」なのであるが、母は喜々とまでは言わなくとも、あたたかい春の訪れの中で磯の恵みに出会える喜びといったものに浸っていたようにも見えた。

子どもであった私はそんな母の苦楽に目もくれず、ひとり磯で遊んでいた。思えば自然の恵みの中で暮らしていた日々。今では適わない贅沢な暮らしでもあったのである。


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「初音」

覚めぎはの山ふところに初音かな

初音してからの消息不明なる

ととのはぬ初音ながらもうれしさよ

初音降るうなじに油断ありにけり

空にまだ風の冷えある初音かな

木がくれの巣箱星屑ちりばめて

花とひらく磯巾着や忘れ潮

云はれたるまゝに買ひ足す桜餅

鶯餅たらちねほどの弾力の

世を捨てゝ世に捨てられて梅見かな





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