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zoom RSS 今日の以心伝心・記念樹ってどうよ?!

<<   作成日時 : 2014/11/20 20:24   >>

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父といふ不在がまるで冬景色 玉宗


札幌の知人から白樺の苗木を二本戴いた。

北の大地に住んでおられる方々には白樺は大して有難くもない木かもしれない。雑木と云っても過言ではない越冬用の薪になるくらいのものではないかな。風景的には如何にも北国といった風情を醸していて、私は好きだ。なんとか手に入らないかと思っていたところへ、札幌郊外にお寺を建てた大乗寺雲水時代のお坊さんが、近くの山に生えていた苗木を引っこ抜いて送ってくれた。私がお寺の境内に植えると聞いて呆れてはいたが、約束を忘れず植え替え時期である初冬に合わせて送ってくれたのである。境内に植えるについては夫人も余り芳しいくないといった表情ではあったが、現物が届いた今日、夫人も留守だったので鬼の居ぬ間にそそくさと植え付け作業を済ませた訳である。

昨今は大義の無い時代ではあるが、植えるに当たってはなにか大義がなければならん。
私が好きだからとか、なんとなく植えてみたかったの、みたなものは理由にならない。そんな程度では夫人のダメだしを喰らいかねない。そこで浮かんだのは、来年が夫婦共に還暦であるということ。加えて、今年、弟子が年季を経て「和尚」の位を得たことでいつでも住職になれる資格を得たため来年にでも住職に任命する予定なのである。この二つの祝い事を以って「白樺」を記念樹として境内に植えることに決めた。夫人には事後承諾。

思えば、私が住職になって境内に様々な木々を植えた。
植えるに際しては、基礎的な知識もないまま、自分の好みの木を手当たり次第目当たり次第に植えた。そして、上手く定植しなかったり、枯れたり、目に余るようになったり、気に障るようになったりすると移し替えたり、引っこ抜いたりしていた。
そんな有り様だった境内も能登半島地震被災の復興整備で一旦ご破算。もういちど一からやり直し。今回は当初、地元の庭園業者に依頼して仕事をして貰った。夫人と二人で色々と業者に希望を言ったものであるが、予算的なこともあり、思いの半分程度の仕上がりで第一期整備は終り。第二期がいつになるか決まっている訳でもない。再建後、もう五年目になろうとしているが、毎年、苗木を何本か植えたり、花を植えたり、畑をしたり、計画性もなく庭を整備はしてきたのである。植樹に当たってはもうほとんど余白がない有り様で、夫人に言わせると「ぎゅうぎゅうし過ぎ、余白がないわね、お父さんの庭作りは・・・。」という評価を戴いている。

予算もないこともあって、当に金をかけない手作りの自然派的な庭になってしまった。
そんな境内の一木一草も10年、20年後にはそれなりの落ち着いた空間を醸し出してくれることであろうと期待している。この空間も又、私の遺言、遺産であることは間違いない。私のいのちであることは間違いない。私の心であることは間違いない。私の身であり、足跡であり、志であり、迷いであり、悟りであり、誓願であるには違いない。
私の亡くなった後、弟子が庭に立つことになるだろうが、植えられた一木一草にある師匠の祈りに思いを馳せてくれたなら幸いである。


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「冬景色」

黙読の眼差しにあり冬景色

落日をまともに受けて木守柿

不用意な男ばかりが落葉焚

うつろなる日差しに透けて冬紅葉

花八つ手寄り添ふ影もなかりけり

灯の消えし如くに石蕗の花枯れて

不貞寝せる耳無山の狸かな

足もとの覚束なさや藪柑子

抽斗へ十一月の日差しかな

日本の下はブラジル大根引く

力尽くしてあらぬ方へと雪婆

山裾に伽藍を沈め冬霞



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「混沌」

枯菊を焚いてなかつたことにする

綿虫の借りを返しにゆくところ

葱刻んでをれば収まる妻なりし

どうせ寝るなら日の短きも苦にならず

輪の中に気に食はぬのがゐる焚火

はつきりしないしづけさにあり小六月

混沌に目鼻つけたる海鼠かな

白鳥に近づき過ぎてしまひけり

百合鴎姉に恋して以来なり

潮の香の風に大根干しにけり









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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
記念樹、素敵だと思います。私の両親は花が好きで畑のような土地はありませんが、プランターや鉢にいっぱい花を咲かせています。
特に父は会社で花を育てています。(自営業なので…。)私たち姉妹がことあるごとに記念樹ならぬ記念花をしてくれています。生まれたとき、小・中・高校に上がったとき、、、それぞれに花や木を植えてくれています。
中でも今一番大事にしているのが私が大学を卒業した時に植えた椿の花のようです。父自身にとって、大卒の子を持てた、というのが嬉しいようです。
父自身は中卒で鉄工所勤めで今に至るので、学歴は関係ないと言いながらも取りたい資格が取れなかったり、大卒の子にバカにされたり色々あったらしく、、、それでも自分の磨いてきた腕一本で大学に行かせれたということに対する誇りがあるようで、椿の花には思い入れが強いそうです。

記念樹は思いのつまった大切なものだと思います。
しぃ
2014/11/21 21:08
地震お見舞い申し上げます。
震度4のようですから大丈夫だと思いますが・・・
花てぼ
2014/11/22 22:20

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