再生への旅

アクセスカウンタ

zoom RSS 冬安居を控えて

<<   作成日時 : 2014/11/08 16:39   >>

トラックバック 0 / コメント 0

画像


冬安居始まつてゐる森の黙 玉宗


この三日間、輪島市内の組寺法要に随喜していた。
僧堂からお暇を戴いてきた弟子も一緒であった。少しはお寺の法要随喜を手伝えるようになったようだ。もうすぐ冬安居制中を控えており、法要が済んで僧堂へ戻って行った。あっという間の三日間。

今冬制中で弟子は書記の配役を任されたとのこと。思えば、首座を勤めたのも昨年のことである。三年目の僧堂生活を送っているわけであるが、年季を経るにしたがって様々な立場に当たる。逃げも隠れもせずに一つ一つまっすぐに勤めあげて一人前の雲水になってほしいものである。どこに出しても恥ずかしくない仏弟子となる日がくるのだろうかと訝しもし、又来る日を楽しみにもしている私がいる。そして、弟子が一人前となる日を経るに随って齢を重ねている親であり師匠である私。いつともしれず、そしていつかは必ず別れなければならない時が来る。仏弟子として人生の山河を逞しく歩んでほしいと願う事切なるものがある。それは子を持った親のだれしもが抱く欲望なのであろう。

欲望に流されず、絆されず生きることを面目としているお坊さんの世界。そうであれば尚更の事、私自身もまた、生涯で一度きりの親、そして師匠の人生を日々学んでいるには変わりないと肝に銘じ生きて行かなければならん。弟子に恥ずかしくないような師匠としての日々を過ごして行かなければならない。

弟子にも師匠にも毎年ながらも、人生初めての今冬の寒さがまたやって来る。


画像


「行く秋」

来た道を帰れとばかり行く秋ぞ

且つ散りて行つたり来たりなんかして

辛酸を舐めたる秋を惜しみけり

月潮や引かぬ鰯が打ち揚り

闇路ゆく鼻唄に紅天狗茸

これでもうお仕舞ひなんてお茶の花

暮れ際にひときわ光り石蕗の花

烏瓜見てゐる暇もなかりけり

山茶花の咲くより散つてゐるやうな

冬といふ涯なるものが隣りして


画像


「綿虫」

冬に入る山のしづけさけものめき

一枚の木の葉が空に暮れ残る

大欠伸せしより今日の冬支度

綿虫の尻に火のつく用事あり

火鉢置き父の座いよゝ定まりぬ

狸来てゐたれば夜の泥臭き

みな母の手になる後の更衣

冬安居控へし蒲団干しにけり

切株に咬ませし斧や雪婆

札束を踏む音のして柿落葉


画像


「尿」

頻尿の窓に山茶花真向かへる

丸腰の厠につづく枯野かな

兎飼ふだれも本気にしてくれず

つはぶきの花には困る良い天気

照り翳る十一月の畳かな

出稼ぎの父より電話神無月

をかしいのは俺かもしれぬ帰り花

絶壁を俤にして散る紅葉

冬の星吾子の泣き声耳に残り

ポケツトの中のぬくもり冬紅葉

木の葉散る遠くに電話してる間も




















テーマ

注目テーマ 一覧


月別リンク

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
冬安居を控えて 再生への旅/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる