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zoom RSS 今日の諸法実相・辛くも楽しい大根托鉢?!

<<   作成日時 : 2014/11/17 11:49   >>

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かゝる世に青き首出す大根かな  玉宗


大本山總持寺祖院には例年11月下旬に「大根托鉢」なるローカル色豊かなる托鉢がある。テレビで放映されたこともしばしばあるので、全国的に知れ渡っていても可笑しくない筈だが、どうだろう。流石の横浜鶴見の大本山總持寺にも銀杏作務や大根托鉢はないだろう。

大根托鉢が近づいてくると祖院から「お布令」が市内に配られる。指定された日までに畑から大根を引き抜き、袋に入れたり、縄で縛ったりして玄関先に置いておく。当日、カッパを着て網代傘を被り、鈴を鳴らして雲水さん達がやってくる。昔はリヤカーを引っ張って、大根や白菜、キャベツ、葱を積んで貰って歩いたものだ。今では流石にリヤカー1台では対応しきれないので、軽トラックがのろのろとあとから着いてくる。満タンになったリヤカーの大根や野菜をトラックに積み替えては祖院へピストン輸送を繰り返すのだ。

零れんばかりの大根を積んだ車は典座裏に横付けして荷を下ろす。
山内は予め、托鉢組と処理組に分れており、下ろされた大根は鬼屋川の流れを引きこんだ用水路でざぶざぶと洗う。洗い終わったものは順次竿に掛けて天日干しにされる。これは沢庵用である。太いものは洗わず、一区画盛られた土の中へ葉っぱを切られて埋めもどされる。葉っぱは茹でて保存。それから毎日、僧堂の粥座には新鮮な大根おろしが一品加えられることになる。

大根托鉢の時季になると能登も時雨がちの天候が続く。霙混じりの中を歩くことがしばしばあった。そんな日は托鉢組も辛いが洗い組も結構辛い。大根後片付け作務が終わるころには体が芯まで冷え切っていることがあった。薬石には定番のけんちん汁を戴き、柚子風呂に入って五体を温めたものである。身と心の辛さを経たあとの至福のひととき。辛くも楽しい大根托鉢ではあった。

お坊さんの修行や托鉢だけに限らないが、苦あれば楽あり。苦楽相半ばして人生のダイナモが運行している。裏表、清濁併せ呑んでなんぼのいのちであり、人生である。一つにして全体のものであるからこそ気づかされる人間世界の真相がある。無私にしていきればこその人情世界がある。幾山河を越えてこそ展望できるものがある。失うものがあるからこそ得るものがある。身を捨ててこそ浮かぶ瀬がある。生死一如、身心一如、迷悟一如、一如とは今を生きているいのちの醍醐味を端的に表現していることばである。これは気休めではない。事実であると確信している。



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「たらちね」

たらちねや冬あけぼのの産み力

小春日の窓辺に母をすて置きぬ

十字架の空に影して龍の玉

梢吹く風見てをりぬ冬籠り

償ひのごとくひともじ買ひにゆく

蒲団干す山のあなたに幸あれと

寒波来る顔を撫づれば山河あり

徒食せしうしろめたさに掃く落葉

開き直つて生きるほかなし蜜柑剥く

落葉掬えば棺の中のあたたかさ

枯歯朶のあたりを猫がうろちよろす


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「蒲団」

引つ被る蒲団の中のむかしかな

死後のこと妻と語りし蒲団かな

嘘臭き父の布団を干しにけり

泣き寝入りばかりの母の蒲団かな

形見なる祖父の蒲団を燃やしけり

而して妻の蒲団を敷くことに

嫁がざる姉の蒲団を嗅ぎにけり

死にたがる祖母の嵩なき布団かな

おそるおそるおねしよの蒲団差し出しぬ

雲水布団蛹のごとく包まりて

雪安居夢を燠とし眠るなり

太陽は少しいじわる雪婆
















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