再生への旅

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zoom RSS 今日の脚下照顧・「能登の風土・朝ドラ「まれ」の舞台」

<<   作成日時 : 2015/03/31 20:24   >>

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東風吹くと沖開け初むる間垣村 玉宗

地元では鳴り物入りで始まったNHKの朝ドラ「まれ」。
舞台は能登半島、輪島市大沢村である。ドラマでは「外浦村」となっていた。竹で編んだ垣根「間垣村」として有名なところでもある。能登半島は輪島側の外海と七尾側の富山湾に面した内海にまたがっている。概して外海の方が荒いのではなかろうか。当然、漁の形態から潮の流れも違っているのだろう。気候と風土は切っても切れない相関関係にある。厳しい自然風土の中で暮らして行くには自然への畏敬と感謝が自ずから醸成されるであろうし、神仏への傾斜も疎かならないものがあるだろう。そしてまた当然のことながら、地域の繋がり、人間の関わり合い方も田舎ならではの特別なものが育まれて来ているにちがいない。

ドラマはケーキ職人の生涯を辿るようであるが、その生い立ちの原初に近いところに能登の地が展開される訳だ。たかがドラマとはいえ、外から見た能登の自然、風土、環境、人情、信仰といったものがどのように映し出されるものなのか興味のあるところではある。

因みに間垣村までは自坊の永福寺から車で10分ほどだろうか。門前町へ出掛ける際には現在は山越えであるが、昔は舟で行き来をしていたようなところである。今では海岸沿いの道路ができて定期バスも走り、その道を辿って門前町へ山を越えることも出来る。景勝地という言い方は如何にも観光者のものの良いようではあるが、実際にそこに住み暮らしを営んでいる人たちにとっては、生きていく厳しさと有難さ、恩恵の両面を兼ね備えた景観として映っているだろう。

「能登はやさしや土までも」とはだれが詠ったキャッチコピーかはしらんが、確かにその一面はあるだろう。然し、自然も社会も風土も、やさしさだけではない。偏狭さ、かたくなさもまた兼ね備えてなんぼのものであろう。そのような、あるがままの能登の姿を受け入れ、耐えているのはこの地に住んでいる人間である。

旅人の眼と、そこに生き死にしなければならに定住者の眼は自ずから相違があろう。然し、人はだれでもが人生の旅人ではある。街に生きようが、田舎に生きようが免れ難い人生という旅の山河がある。それはだれでもない自己が歩まなければならんし、自己が歩んでこそ意義のあるものとなろう。だれも自己に代って自己を生きてはくれない。隣の芝生は青い。それは自己の脚下を疎かにして、他郷の塵境に去来している証左なのであろう。



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「教祖」

古草に身をよこたへてひとりきり

日のあたる方へ枝垂るゝ雪柳

豪雪の村に生き継ぎ春祭

囀りの山に引きたる甘茶蔓

鹿ねまり教祖を孕みたる如し

村あげて野に出て恋の猫ばかり

日や永くはぐらかされてゐるやうな

震災の空を忘れぬ飛燕かな

さよならも云へずに別れ鳥雲に

菜の花の真つただ中に降り立ちぬ



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「花の歳時記」

春ひとり花の歳時記見てゐたる

わが庵は薺花咲くばかりなり

月に日に潮騒已まぬ椿かな

雪形の白馬を遠ちに花辛夷

風はまだわがもの顔にはんの花

淋しらの手の鳴る方へ蕗の花

音絶えし村に馬酔木の花ざかり

旅立ちの峠の朝の土筆かな

すかんぽや同胞一人づつ消えて

背伸びせし蕨の腰をへし折りぬ

父母をなきものにして竹の秋



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「といふ風に」

あたたかや死んで生きよといふ風に

春の山呼んでごらんといふ風に

たらの芽の摘んでごらんといふ風に

春蘭の泣いてごらんといふ風に

菜の花や淋しがるなといふ風に

蒲公英や旅の途中といふ風に

かたかごのびつくりしたといふ風に

春筍の蹴つてごらんといふ風に

薇のくるくる舞ひといふ風に

桃の花仲良くしろといふ風に

初蝶やごめんなさいといふ風に

春の風無理をするなといふ風に

囀りや忘れないでといふ風に

猫の子の嘘をつくなといふ風に

つばくろの飛んでごらんといふ風に

ぶらんこがわれに返るといふ風に
















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コメント(3件)

内 容 ニックネーム/日時
ねまる、古語でしょうか、秋田に初めて訪れた家で、「疲れたべ、まず、ながまれ」といわれたことをおもいだしました。すわる、とじこもる、くつろいで居る。他に、寝る、ひれ ...
otasyou
2015/04/01 12:15
 久々訪問致しました。
花てぼ様からNHK「鶴瓶の家族に乾杯」番組に能登が写るとご紹介がり、前半は見逃しましたが、昨夜(6日)放映での後半を見ることが出来ました。
常盤貴子さんが輪島の朝市や間垣保存会の会長さん宅を訪問する場面があり、玉宗様の暮らす能登という土地の片鱗に触れた想いが致しました。
 ツイッターでの俳句を度々拝読させて頂いておりますが、能登の桜も今が見ごろのようですね。
染井吉野の花には悲喜交々、玉宗様の記事に思い至る処が色々ありました。
こちらは昨夜からの雨風で、辺り一面散り尽くし、歩くためには、痛々しくも踏みつけてしまいます。
 処で還暦を区切りに計画とのご出版は、進んでおりますか。
計画実現の折には、ご案内下さいますようお願い
致します。(過去記事で既にご案内済みでしたら、迂闊さをお侘び申し上げます。)
みどり
2015/04/07 10:10
みどり様。句集刊行作業は私の手を離れて、出版社の校正に回っています。数が多いので手こずっています。(^^)
市堀
2015/04/08 18:50

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