再生への旅

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zoom RSS 今日の三界唯心・世界は広いのか狭いのか?

<<   作成日時 : 2015/11/23 20:35   >>

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寄り添へばなにか始まる冬日向 玉宗


地球、そして人類の21世紀。
科学や情報の進歩により、世界は愈々狭くなり、謎が解体され、永遠というまなざしを失くしてしまったかのようである。我々は自らが果敢無い細胞の集合体に過ぎないことを知った。地球も又、生成と消滅を繰り返す宇宙の中で特別の存在ではないことを知った。この世のどこにも人間の特等席は存在しない。
人類にとって知ることは幸いであったか。知ること、それは宿命であったとしても、そのような自問をしたくなるような現代社会の喧騒や紛争。自縄自縛の愚かさに見えて来る。

このような見解は余り生産的ではない。向日的ではない。我々はこの世に生まれてきたことを、何年何月に出生したという客観的事実を鵜呑みにして、恰も、人類と云う舞台へ後から飛び込んできたかのように受け取っている。死とはそのような舞台からの心ならずもの退席という残念な次第でありつづける。それを疑いもしない。

然し、本当にそうだろうか。そのような客観的認識だけでいのちを受け入れているだろうか。今をいのちしているのだろうか。主観的認識とは如何にも忌避されるべきものとされてしまったかの如きであるが、本来、主観も客観もなかった筈である。いったいだれが言い出したことなのか知らんが、いずれにしても私が生きることになんの支えともならない認識で良い筈もないし、そのような義理が認識にたいしてあろうとも思えない。

私は客観的にこの世に生まれてきたのではない。生れ落ちたという事実と共に世界があり、始まったのである。今も世界と共にあり、世界もろとも死と云う消滅を果たすのである。主観客観未分離のままで今をいのちしている事実がある。そうとしかいい得ない諸行無常の自己がある。

そのような自己にとって世界は広くも狭くもない。ときに自己が世界を狭くも感じ、広くも感じ、狭くも使い、広くも使うということなのである。出会いという世界。生老病死という世界も又そうである。社会やお金という世界も又同様である。世界は私が自由自在に使いこなし、無私にして仕えるべき代物である。三界唯心。世界と共にある自己。一体であるからこその一部。同心円であるからこその無中心。世界も自己もあると言えばある。ないと言えばない。ともに空なるものである。そこには本来的に争う理由がない。寛容であるしかない。自己を信仰する宗旨とはそのようなことである。

平和と云う客観的事実があるのではない。争い、怒り、奪い合いという客観的事実があるのではない。自己の安寧、自己の執着、自己の貪瘨痴がるのである。それが全てなのであるということ。だれの所為でもない。自己に解放し、自己に収束する。生死とは自己の世界の様子である。空に徹し、実に徹す。徹底空しい存在でなくして、どうして永遠の星を仰ぎ見ることができるだろうか。信仰に生きるとはつまりそういうことだ。




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「風」

枯れてゆくものの中より風生まれ

寒風に散らさぬやうに用足しぬ

親鸞を祭るころより海の荒れ

日の暮れぬうちにと葱を抜いてくる

絶望に何かが足らぬ焚火かな

報はれぬ顔して冬の空仰ぐ

枯葉蹴ると火の用心の音がして

晩年の始まつてゐる冬日かな

空はうつろな金管楽器北風吹ける

笹子来てこれみよがしに舌打ちす

一茶忌や夜の木枯し聞くばかり



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「空に影して」

暮れきらぬ空に影して冬木立

帰り花通りすがりのまなざしの

冬夕焼さながら終る紙芝居

綿虫を誰か手招く空の果て

野兎のうらさびしさを飼ひ馴らす

朝粥の湯気もゆたかや冬籠

羚羊の追ひつめられし目に会ひぬ

道のべの郵便ポスト冬ざれて

参籠の始まる山の眠りかな

風の子が鬨上げてゆく冬田べり


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「たらちね」

ふるさとに雪の便りや能登時雨

湯のやうな母ゐて冬のたのしさよ

垂乳根のしづかに浸る柚子湯かな

小春日の母の寝巻を洗ひけり

母の手をとれば枯れゆく芒かな

働いてばかりの母へ綿虫来

母泣けばこの世の終り冬椿

冬座敷仏を守る母ひとり

浄土なる枯野を這うてゆくつもり

臥せのは母へ小春の窓明かり

嵩低き褥や母の冬籠

小雪の風入れ替ふる母の部屋

明日しれぬ母の窓辺や笹子鳴く




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市堀玉宗第三句集『安居抄六千句』

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