再生への旅

アクセスカウンタ

zoom RSS 大原若葉しぐれ百句

<<   作成日時 : 2016/05/04 16:48   >>

トラックバック 0 / コメント 0

画像


鎮魂の大原若葉しぐれかな 玉宗



所用で京都まで行ってきたのであるが、一泊で戻る予定が予想外の強風のため、湖西線が運行止めとなり、連泊することになってしまった。まあ、しょうがないね。おかげで、大原の方まで足を延ばして観光してきちゃった。以前から行ってみたいところではあったのです。比叡山の山陰になり、冬は雪も降るそうで、都をそこそこに離れた鄙びた暮らしぶりに共感するところが多である。

若葉がよかったね。運転手さんの話では秋の紅葉も素晴らしく、観光スポットであることを改めて知った次第。温泉宿もあり、京都の町の賑わいとは違った雰囲気ではあるが、これもまぎれもない都の歴史を支えてきた現場ではあったのだろうね。

秋の晋山式を終えたら、また行ってみたいな。



「湖西線」

画像


旅の途のまなこはうつろ桐の花

霞立つ敦賀を過ぎしあたりより

眠くなる都も西のあたたかさ

西湖より望めば霞む竹生島

魞の湖大きく曲がる湖西線

早苗田にさざ波寄する淡海かな

代掻いて近江の湖畔水浸し

見も知らぬ耕人見ゆる汽車の窓

鮒鮓や都を沖とする国の

京に入るみな遍路なる顔をして






「駅ビル」

画像


駅ビルをすり抜けてゆく燕かな

これはもう南風ではなからうか

ビルの上の小さき杜に囀りぬ

さつきから扇子の風が目に触り

カプチーノ水木花咲くテーブルに

列なして京の餡蜜食べたがり

たゆたうて日暮れも遅き都ぶり

路地多き京にさ迷ふ暮春かな

春灯を消しぬ壁より手が伸びて

高島屋出でてそのまゝ花人に






「鍵守」

画像


遠足の行列がゆく高島屋

強東風の音かとおもふ地下街に

すれ違ふ春闌の顔をして

京言葉のらりくらりと夏めきぬ

花篝芝居じみたる京の夜の

インド人と肩触れ合ひし春の暮

筍を取り合ふ錦市場にて

ひとりづつそして誰もが夏隣り

花守で六角堂の鍵守で

暮遅き六角堂や門閉ざし






「焼け跡」

画像


青柳空に閊へて滝なせり

葉桜や蒸饅頭に舌鼓

夕さりし辻の八百屋に昭和の日

ぶらんこも揺れぬ公園過ぎてのち

大丸に粽を三つ買ひしのみ

柏餅喰へと言はれて試し喰ひ

もてなされもてなし今日の夜やおぼろ

朧月蛤御門の焼け跡に

辻堂の八十八夜手を合はす

国を出て桜蘂降る街に生き






「地下街」

画像


もてなしの祇園やすでに夏暖簾

汗ばみぬ四条河原に歩きづめ

田楽や京に別れて以来なる

おのづから片陰をゆく寺町の

地下街はほとんど迷路田鼠化す

囀りのほかは音なき煎茶席

旅をせし肉のひだるさビール呑む

ふにやふにやの枕ふにやふにやの春眠

新樹並木東山へと続きをり

来てみれば比叡を仰ぐ菜花かな






「大原」

画像


鎮魂の大原若葉しぐれかな

茶葉を吹く風も八十八夜なる

手毬花どけとばかりに風がきて

いきなりの風もどこ吹く夏柳

鳥曇る鯖街道をひた走る

晩春の北山しぐれ侮れず

春陰へ弥陀のひかりや三千院

五葉松七百年の芯立てゝ

尼寺や都も北の春郊の

大原の大緑陰に庵さし



「門跡」

画像


鳥雲に入りたる里と聞くばかり

さみどりの萌えて湧き立つ若楓

青羊歯や哀れ名のある門跡の

鎮魂の建礼門院著莪の花

山吹や身は流されて洛北の

恩愛をおもかげにして涼むかな

転生も叶はぬ都忘れかな

涼しさや比叡つらぬく水の音

闇抜けて水琴窟の音涼し

緑さす闇のすずしさ三千院






「孤雲」

画像


孤を描く雲のすずしさ寂光院

青みたる苔に埋もれ地蔵尊

緑陰や弥陀三尊の後背の

菜の花のこれよりひらけ大原野

大原の風も薫れと平家琵琶

花に葉に比叡山陰冷えまさり

白川の辻に花買ふ春時雨

のどけさの都ぶりなる京野菜

今や昔市に紫葉売る大原女

野遊びの南に和する仏かな





「本願」

画像


いにしへのほとけに抱かれあたゝし

雅とも哀れとも思ふ古都の春

かつて首を晒せし河原鴨残る

比叡より雲の生まるゝ紫雲英かな

鯉幟都と沖とせし里の

たまきはるのどけさにある都かな

雪駄ゆく音のかろさよ夏隣

本願に西や東や鳥雲に

上つたり下がつたりして京薄暑

足止めの旅も三日ぞ春嵐






「改札口」

画像


水の国泥の国なる植田かな

比叡より降りくる若葉冷えかとも

今日は帰ると決めたる宿の朝寝かな

春惜しむこころに京を後とせり

行きも帰りも白山霞む旅路かな

白山に雪ある里の鯉幟

京の旅戻れば麦の秋初め

薫風や改札口を通るとき

皐月燃ゆ日差しいよいよ容赦なく

梢吹く風の漣五月来る

















テーマ

注目テーマ 一覧


月別リンク

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
大原若葉しぐれ百句 再生への旅/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる