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zoom RSS 諸行無常の宗旨・夏安居

<<   作成日時 : 2016/06/12 13:33   >>

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白雲の行方も知れず涼しさよ 玉宗

僧堂では今、夏安居の真っ最中である。朝課では毎日「大仏頂萬行首楞厳陀羅尼」というお経を誦み、制中安居の無事を祈る。

安居とは世の喧騒を離れて自己の灯明にまみえ、親しむことにほかならない。その目指すところのものは、自己が自己に落ち着くこと。人が人になる。人が仏になる。仏が仏になる。仏が人になる。それを成仏とは言う。今、ここを蔑ろにして自己の成仏する住処はないのだし、安心立命の余地はないものとしらなければならない。

自己が自己に深み、澄み渡る。清浄なること大海の如く、右顧左眄せず、右往左往せず、ありのままの自己を戴く安居。行く雲、流れる水。滞ることなく、求めることなく、あきらめることなく、行方の知らぬままに、まっすぐ今を戴いて生きる諸行無常の宗旨。背負うものなき無一物の生きざま。風のごとく去るが如く来るが如き没証跡の系譜。すべてわがいのちをどう戴くかという話である。

そのような本来の自己に出会うことに惜しみなき天地の采配。安居、思えば有り難き一期一会の様子ではある。


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「籠売」

山越ゑて籠売りに来る梅雨入かな

豆の飯飾らぬ母のやさしさの

立葵まなこ見開くやうにして

夏蜜柑片手に余る大きさの

ぎしぎしや海を見てゐる父なき子

昼顔や昼過ぎのそのしづけさの

耳遠き人ゆくほたるぶくろかな

笹百合や月に広がるこもりくの

あぢさゐや花の盛りを重くれて

蛍火や背なの子石となるころの

烏賊釣火沖に祭りのある如し



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「衒ひ」

くちなはの一糸纏はぬ衒ひとも

言ひ出せぬまゝに草引くことをせり

草矢打つ動機が少し不純なる

鐘搗いてしばし戻らぬ蛍かな

死後のことさらりと語る蚊帳の中

滝を見てゐる場合ではなきかとも

傾城の森に守宮を搗く音か

舞ふことの力を抜いて花さうぶ

嘘吐いてなほ落ち着かぬ水中花

捕虫網先立ててゆく帰省かな

背負はれて蛍狩より戻りけり

明後日は太宰治の忌なりけり


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「ほそみ」

夏に籠り彼の世の遊びしてゐたる

夏大根日の目をみたるほそみあり

樹に耳を当てれば音の涼しさよ

栗の花花といふには怖ろしき

生き死にの帳を叩く水鶏かな

南風吹くや瘡蓋痒くなるころの

たひらかに風渡りゆく花さうぶ

タラップを下りれば村の立葵

夾竹桃空に疲れしまなざしの

蛍火の明滅闇を深うせり













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