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zoom RSS 住職になるとは?!安居とは何か?!

<<   作成日時 : 2016/08/29 13:20   >>

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水引の花点々と線となり 玉宗


八月も晦日に近くなり、暦の上では中秋も近い。
11月3日に控えた晋山式まで二カ月ほどとなった。昔は文字通り九旬安居を在野のお寺でも修行し、結制に臨んだ。安居とは釈尊の行跡に倣って、九十日間を密やかに、そして親密に自己の究明に精進弁道する修行のかたちである。よそ見をせず、一意専心に坐禅を軸とした弁道の空間がそこには用意されている。ありがたいことと言わねばならない。仏弟子とは額に汗して生産に従事せぬが、自己の究明といういのちの実相をあきらめ、戴く歩哨としてその存在を社会より担保されているとしなければなるまい。そこになんの遠慮も恥じらいも、傲慢もいらない。

それにしても、本来、一ケ寺の住職となるにはそれなりの力量と有縁無縁の神力、そして和合衆を支える常什の担保を必要としたのである。永福寺の先代住職もまたそのような九旬安居を経ている。世の中が忙しくなったのか、せちがらくなったのか、お坊さんに余裕がなくなったのか、忙しすぎるのか、現今、一般のお寺で九旬に及ぶ安居を修行しているとは聞いたことがない。お坊さんにとっても古き良き時代であったと思われてならない。

永福寺もまた実質一日半に及ぶ結制安居修行となるが、倅が今もまだ僧堂にあって五年目の安居を重ねていることを以て九旬安居の本意を少しでも汲んでくれればと願っている師匠ではある。道は無窮である。あきらめず、貪らず、侮らず、一生、どんなときでも、どんなところでも道を求め、学ぶに謙虚な姿勢を忘れないでほしい。
師匠である私にできることはそのような世界へ弟子を後押しし、引っ張り、共に生き、少しだけ前を行くことぐらいであろうかと思っている次第。

住職となることもまた、無窮なる道の一里塚に過ぎない。だからこそ、侮らず、精一杯勤め上げなければならないのである。自己からは逃れられない。仏弟子である限り一生自己が道中にあり、道中の自己であることを、又、安居の自己であり、安居の身心であること知らねばならない。



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「行者道」

行者道秋の木漏れ日つきぬけて

つくつく法師ほとけの森に深入りし

軋み鳴く能登の翌檜秋の風

橡の実の落ち放題や峩山道

閼伽汲みに僧の来てをる花野かな

月夜茸役行者のみちのべの

葛の葉に埋もるゝ能登の山低く

草虱つけて行者の帰りけり

頭陀袋窶れて秋も闌に

總持寺へこれより下る木の実かな


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「儚むに」

儚むにほどよき風の色となり

草は穂に野にかぎろひの尿をして

露草にどうもピントが合はぬなり

桐一葉落ちて知りたり迂闊にも

天高く死ぬことさへも癪に障る

蜻蛉さへ止まらぬ影の薄さかな

涙目に城も傾く女郎花

見てをれぬ男の泪秋刀魚焼く

紙よりも軽く秋蝶息絶えぬ

赤まんまをみな謎めく月のもの

ゆふべよりあした淋しき草雲雀


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「縁者」

借りのある縁者のごとく台風来

前線へ引き揚げてゆく秋の雲

大陸を遥かに肥ゆる岬馬

ばら撒ける如くに逃げる稲雀

山寺の鐘の音にも鵙日和

茗荷の子土のものとも闇のものとも

忘れずに思ひ出せずに鳥渡る

色鳥や叶はぬ夢の美しき

睦みあふ高さに空や秋の蝶

谷を出て一気に刈田吹く風に

鳥のみちけふは雲行く案山子かな

台風が去るまで大人しくしてをりぬ







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コメント(1件)

内 容 ニックネーム/日時
こんばんは。住職としての日々の暮らしも安居であると、そのように述べられているのではと思いました。それでもすべてを忘れて道に精進する安居する日々も必要なのですね。とても真摯で命懸けの日々、良いなと思いました。
G
2016/08/31 20:07

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