再生への旅

アクセスカウンタ

zoom RSS 虚空のごとく「什麼物恁麼来」

<<   作成日時 : 2017/09/25 05:49   >>

トラックバック 0 / コメント 0

画像


こんな夜は能登の地酒を温むべく 玉宗


物があり余り、使い捨て、ゴミに埋もれてしまいそうな現代。
良寛様の貧しかった生活を想像することも難しい時代ではある。五合庵での暮らしでは今晩食べるものがないことがよくあり、「味噌を一欠けら」門前の庄屋さんに無心した書付のようなものがあるという。

また、次のような逸話、伝説も伝えられている。

ある日、良寛さまの庵に泥棒が入った。
昔の泥棒はよほど貧しかったと見えて、良寛様の一枚しかない着た切り雀の蒲団を盗みに来たのだから呆れれる。良寛さまは泥棒に気付づいたのだが、寝た振りをして動いたら相手が驚くであろうと、蒲団を盗られるまでジッとしていた。件の泥棒が蒲団を持って出て行ったあとに詠まれた一句。

「盗人に取り残されし窓の月」


画像


その他ににも、托鉢に出るとき、必ず手まりとおはじきを持っていったという良寛。日が落ちて、子どもたちが皆、家に帰ってしまっても、それにも気づかず明け方まで藁の中に隠れ続けていた良寛。芋泥棒と間違えられ、むしろ袋に入れられて、川へ放り込まれようとしても、自分を名乗らずにいた良寛。賭博をする者の中に交じって、賭博をして、その金が増えたのを眺めて、ため息をついて、困っていたという良寛。

また、厠の床に生えてきた竹の子のために、屋根を切ってしまった話。 小鳥や犬に自分の食物を与えてしまったり、ある時は、友人が遊びに来たので酒を買ってくるよと出ていったまま帰ってこない。友が探しに行くと、月の美しさに見とれて帰るのを忘れていたという話など・・・

画像



人の日常生活は吾我ですべてを占められている。自分の都合や得手勝手に東西奔走している毎日。羨んだり、喜んだり、泣いたり、怒ったり、口惜しがったり、きりのない妄想の中で宙に浮いたような日々が続く。それは自分が何か当てや目的を作っているからの右往左往なのである。それらは「〜ねばならない」といったような「存在への強迫観念」に見えなくもない。

ところが良寛様を見ていると欲望との関わり方の次元が違う事に気付く。
良寛様には、目の前のものに目を奪われ心を奪われるのではなく、もっと根本的なところから命の風景を眺めているような大らかさ、生きている重心の違い、自己を決着する器の違い。そのようなニュートラルな、「存在すること」への「なんともなさ」がほんのりと伝わってくる。


画像



命は私が迷い悩む以前以後も、きれいさっぱり、何事もなかったように「煩悩自身」を置き去りにしている。そこを見失わないこと。仏道はそれに尽きると良寛様は身を以って示されている。

逸話や伝説というものは実際とは噛み合わないところ、脚色もあるかもしれないが、そこには普遍的な真実があるからこそ伝説や逸話として残るのであろう。

名付けようもない無内容にして虚空の如く充実している命。

「什麼物恁麼来」



画像



「べく」

月の子の坐すべくありぬ猿茸

悪夢なら覚めてほしいね曼珠沙華

稲雀羽の強さも逃げるべく

コスモスへ紙飛行機の不時着す

南洲忌残生肝に銘ずべく

敗戦の如くに蓮の破れをり

残り蚊や生きながらへて何すべく

草滑る音を残して穴惑ひ

釣舟草月の港を出づるべく

草虱とるに手間取る淋しさよ

こんな夜は能登の地酒を温むべく

褒められも貶されもせず籔枯らし

月まろし明るし癪に障るべく









テーマ

注目テーマ 一覧


月別リンク

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
虚空のごとく「什麼物恁麼来」 再生への旅/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる