テーマ:詩篇

旅人の唄・再掲

色鳥や虹が零れて来たるかと 玉宗 <旅人の唄> 一人で漕ぎ出さなければならなかった だれにも分かち合えない 心の痛みなどを持ち合わせ 沖へ向かわなければ 呑み込まれてしまいそうな昏い雲がかかっていた 孤児のように 故郷を離れ故郷を恋した …
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更衣

はまなすや海に曳かるゝものの声 玉宗 「海と私」 夢から目覚めたやうに しづかな海を見てゐた 生きねばならないもののやうに きれいな風に吹かれて 人生のすべてが いつの間にあんなに遠い海原 あれは取り返しがつかない 生きてしまった私の沖 …
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「さよならだけが人生だ」という生き方

目瞑りて風の声聞く冬安居 玉宗 唐の于武陵の五言絶句「勧酒」を井伏鱒二が訳したことで有名である次の詩。   この杯を受けてくれ    どうぞなみなみ注がしておくれ   花に嵐のたとえもあるぞ   さよならだけが人生だ 原詩は次のようなものである。   勧君金屈巵     …
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童心の奇跡

天上も淋しや雪を降らしては 玉宗 てらやまへメールhttp://terayamahe.seesaa.net/の作者は短歌・俳句・そして詩の実作者である。今回は氏の童謡詩人としての面目躍如たる詩篇を紹介したい。その原詩はご覧いただければ解るように、絵文字ならぬ「文字絵」というべき斬新な様式である。内容的には絵本のような、童謡…
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林檎の唄・Ⅱ

掌の林檎を愛のやうに渡す 玉宗 「林檎」 生きて来た涙の総量のように たっぷりと いくつも吐いてきた嘘のように ひんやりと 死んでしまった母のように 懐かしく 何度も繰り返した失敗のように よそよそしく 優しい神様の忘れもののように 謎めいて 死んでゆく私のアリバイのような…
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電子書籍 『ふくしまの海』by いらくさ

われなくて色なき風の軽さかな 玉宗 ふくしまの海by いらくさforkN 福島は今、新たな神話が始まっていると言っていいだろう。 ここに一つの被災者の声がある。詩人でもある被災者は言葉を紡ぐことを以って再生の道を歩んでいる。作品は「海」と題された連作である。そのうちの一編を紹介させていただく。詩、それは鎮魂…
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被災地の歌・福島のこころ

秋の雲ひろがりひろがり一人きり 玉宗 東日本大震災の災禍が未だ影響しつづけている被災地。ポエムブログ「てらやまへのメールhttp://terayamahe.seesaa.net/」の最近の作品を鑑賞してみたい。詩一篇と短歌二首。  「蝉」 一本の木 そこに生まれる蝉たち 蝉を捕りに来る少年 蝉の翅…
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立秋

秋立つと思へる方に家族あり 玉宗 「立秋」 父が死んではまなすの実が残った 朝顔が萎むように母は昇天した みんな正夢のように私を通り過ぎて逝った みんななかったことのように私を置いて逝った 家族であったことが夕焼けのように眩しい 月見草が沖を恋して咲いていた 私は船…
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雲心水意

丹精の牡丹の蕾数えをり 玉宗 「雲水」 跡形を残さず しかも端的この上ない存在感 兀兀と 気は優しくて力持ち 娑婆に足を踏ん張って 遥かなものを慕うまなざし 出来損ないではあるが 曲がりなりにもお天道様の方を向いて生きてゆく 人を変えようとは思わない 滓の…
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少年・遥かなるもの

南風吹くと翁が立てる礁あり 玉宗 「少年・遥かなるもの」 大人たちは 作為の沖へ漕ぎ出してしまった難破船 遠くに見え隠れする星や陸を憧れて 船長は引き返せない漂流者のように少年をみつめる 眼の前にあるものが どうしようもなく遥かなるものであるかのように 謎に満ちた世界にとき…
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詩の領域

鯉のぼり銀河の海の風孕む 玉宗 正直なところ、時々余りに散文的な現実に私の脳髄はついてゆけなくなることがある。 そんなときなのだろう、詩を欲するのは。どんな詩でもいいという訳ではない。理屈を超えた世界へ誘う韻文であるに越したことはない。現実逃避?そうかもしれない。現実は余りに見るに忍びないから。理不尽極まりないという…
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死にゆくものの言葉・『一粒の種』

海へ向け卒塔婆立てある暮春かな 玉宗 NHK総合テレビを見ていたら「一粒の種」という唄が流れていた。そこには、ある癌患者の遺した詩片が多くの人に感動を与える歌となる出会いがあった。逝く者と遺される者が織り成した心模様。どちらも同じ生死の定めに生きる人間ならではの真心の通い合いがある。 朝日新聞記事http://www…
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被災地からの詩・あらたな神話へ

わだつみへ浜昼顔の回向なる 玉宗 ここに一つの被災者の声がある。詩人でもある被災者は言葉を紡ぐことを以って再生の道を歩んでいる。作品は「海」と題された連作である。そのうちの一遍をご紹介させていただく。詩、それは鎮魂でもあり、慟哭でもあり、呪詛でもあり、諦念でもあり、愛であり、夢であり、そして新たな神話でもある。 …
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宇宙がそこにあるように

正夢のやうに消えたる石鹸玉 玉宗 「宇宙がそこにあるように」 宇宙がそこにあるように 私は近くて遠い海 光りと闇の空のよう 宇宙がそこにあるように 私はなんだかからっぽで やっぱり不思議でしょうがない 宇宙がそこにあるように 私は小さな謎の駅 怖くて楽しい旅をす…
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詩の領域・自己を支えるもの

雨ながら手足明るき花菜かな 玉宗 短歌と俳句と詩のブログ「てらやまメール(http://terayamahe.seesaa.net/)」に次のような詩篇が載せられていた。自己の内面をストレートに語ることの少ない作者には珍しい直截的な内面の心象表現である。ここに困難な現代を健気に生きようとしている一人の人間が見えてくる。…
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時の扉を開けて

家族といふ春の日向のやうなもの 玉宗 「時の扉を開けて」 生きることは まだ見たこともない 時の扉を開けてゆくようなもの 囀りや呪文のような声が聞こえる 胸の奥に燠を灯し 悪戯っ子のように扉の前に立たされた 何処へも行きたくなかったけれど 誰も応えてくれないから …
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詩の領域/生きてゆく証

臍の緒の行方も知れず冴返る 玉宗 詩集『愛 それによって』1974年初版。2008年復刻版が私の手元にある。 巻頭の作品に注目した。 「ひとつ」 一生をかけて たったひとつ 詩が一行でも 磨いた石が一つでも  何でもかまわない 人間よりも もっと尊いものに  捧げられる贈りものを 死ぬときに…
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海と私

冬終るしづかな海を見てゐたる 玉宗 「海と私」 自分がどこへ行こうとしているのかわからなくなる そんなとき 流れ着いたもののように 海を見にゆくことがある 何かを捨てるために 生きていかねばならない 愛憎も 悔恨も 希望も 挫折も すべてが い…
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詩の領域/鎮魂・ひたすらなるもの

冬の暮おろおろ歩くばかりなり 玉宗 毎回、俳句と詩篇を載せている即興詩人・安藤由人の「風に吹かれてhttp://shashin-haiku.jp/blog/148」から注目した作品をご紹介させていただく。 先ず、俳句。 雪靴のひたすら欲しきことのある よし   言うまでもなく「ひたすら」が一句の眼目である。…
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軒に氷柱の太る日は

雪の夕べは悼むがごとく人歩み 玉宗 「軒に氷柱の太る日は」   軒に氷柱の太る日は 大人たちは 生きてゆくあやふさを 夕暮れがちに過ごし 白い息を吐きながら かたはらの冬木を叩いてゆく 空にはいつも 惨たる記憶があるばかりで 虹は雲を裂いて   晩年のごとく…
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生きているわたし

水洟や沖遠くして愛深し 玉宗 「生きているわたし」 わたしは遠いところからやってきた それはわたしの都合ではなかったけれど それがなにか意図があってのことなのか わたしには未だにわからない 人間として生まれ こんな弱いどうしようもないわたしでも わたしとして生まれたことに …
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風切羽

オリオンに命の果てを掲げ置く 玉宗 「風切羽」   何度も冒険を繰り返し いつも神様の傍にいて 恐ろしくも懐かしい 奈落のような鳥の瞳 私の手のひらは 悪戯が過ぎて 飛ぶことを許されない 貧しい風切羽 罪科のように 言葉の空しさを償い 永遠が眩しくて 手を翳すことしか…
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木枯し1号

木枯し太郎卒塔婆傾げて来たりけり 玉宗 当ブログでもお馴染みの「てらやまへメールhttp://terayamahe.seesaa.net/」の作品を又ご紹介する。詩を説明するのは野暮なことであるが、ここには作者が敬愛する寺山修司でもなく、宮沢賢治でもない、作者独自の詩的世界があると思う。例によって市堀の稚拙な観念先行型…
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訪ね人

白山は照葉紅葉と峡の空 玉宗 <紅葉狩り> 何かを探している そして、それはどこにもないらしい 栞とするのには 余りにも美しい徒労の日々よ 木漏れ日は福音のやうで 生まれてきたことも 死んでゆくことも 夢であることに変わりはない 立ち止まるのが恐いほ…
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林檎の唄

枕辺に林檎を置いて旅立てり 玉宗 <林檎の唄> 生涯に 流した泪の 重さのやうな 後戻りできない ひとり旅を 強いられるやうな ひやりとした 冷たく 甘いささやき だから、私は 林檎が好きになれない 嫌いになれない …
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秋意・旅人の唄

還らざる月日の中を紅葉狩 玉宗 <旅人の唄> 一人で漕ぎ出さなければならなかった だれにも分かち合えない 心の痛みなどを持ち合わせ 沖へ向かわなければ 呑み込まれてしまいそうな昏い雲がかかっていた 孤児のように 故郷を離れ故郷を恋した 瘡蓋のような命の切なさ 世…
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海神へ浜昼顔の回向なる  玉宗 「海を見たい」 自分が どこから来て どこへ行こうとしているのか わからなくなる そんなとき ふらりと 夢から目覚めたような足取りで 水無月の しづかな海を見たくなる 行かねばならないこともないようなのだが 行かね…
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星屑の唄

故郷は雪国とのみ答へけり 玉宗 寝てばかりしていたので背中が痛い。いつまでもゴロゴロしている訳にもいかない。23日には永福寺の祠堂経法要がある。今年最後の恒例行事である。興禅寺の煤払い等、冬用意、年末年始に準備も控えている。予報では今日から雪になるらしい。 風邪心地の蒲団の中で推敲した詩のようなものを披露しま…
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